お子さんの成績を(確実に?)上げる方法(その2)

お子さんが親と勉強するのを嫌がるようになる理由についてです。まず、一般論として、勉強に限らずお子さんはだんだんと親から離れていきますね。特に中学・高校時代は親子の距離感が難しい時期だと思います。子育ての本やサイトを見ていると、「乳児は肌を離さず、幼児は手を離さず、少年は目を離さず、青年は心を離さず」 というフレーズをよく見かけますが、なかなか的確で、初めて目にしたときは「なるほど~」と唸りました。 たしかに「心を離して」しまっては、お子さんはひねくれますね。私の経験では、「目と心は離さない、けれど手も離さない」というご家庭が多いのですが、少年や青年になっても「手を離さず」という状態ではお子さんは反発するか、無気力になります。親御さんがお子さんから手を離す努力をしていないのに、勉強の部分だけを取り上げて、「あの子は自分からまったく勉強しない」とお子さんを叱るのは親のほうの身勝手なのかもしれません。お子さんの成長に合わせて、親御さんのほうも対応を変えていく必要があるのだろうと思います。

それで、勉強の話ですが、親御さんがお子さんと一緒に勉強するときには、お子さんを教えようとしないことが大切だろうと思います。教えようとすると喧嘩になると思います。教えなくても大丈夫かと不安にお思いになるかもしれませんが、大丈夫です。極端なことを言えば、答えが間違ったままでもいいのです。親御さんが、そう思えるようになること(そのように思えるように努力して頂くこと) が一番重要だと思います。

私は授業中、お子さんが問題を解いているときはわざとそっぽを向いています。お子さんのノートをできるだけ見ないようにします。ノートを見て答えが間違っていたら指摘したくなりますから。それは、長い目で見るとお子さんの意欲を失わせる行為です。ノートが見たくなるのをできるだけ我慢します。お子さんが「できた」と言ってから、初めて答え合わせをします。それで、間違っている問題には、×だけつけて、ノートを返します。このときも、できるだけ何も言わないようにしています。テキストを見れば直せるようなところでしたら、「ここをよく見て、もう一度考えてみて」と言うだけです。2~3回これを繰り返して、どうしても直せない所だけ教えます。教える側はひたすら我慢です。辛抱です。

親子で勉強するときは、お子さんがやり直してもわからないところは わからないまま放置しておく程度のほうが良いです。そのうち、わかるかもしれません。10問あって5問間違えたとします。自分でやり直しをさせて3問直すことができた。それで、十分です。これでも3問は確実に身に付いたわけですから。3問多く正解できるようになったことを褒めてあげてください。これを10問正解させようと親が頑張り過ぎて、お子さんに教えようとすると喧嘩になります。先ほどのフレーズで言えば、少年や青年になったら手を離さないといけません。いつまでも手を離さずの状態を続けていると、お子さんはずっと幼児状態のままです。お子さんと一緒に勉強するときは、できるだけお子さんに任せて、気長に、辛抱強く、待ってあげてください。そうすれば、喧嘩になる回数はぐんと減ると思います。

ただ、勉強ができるお子さん(テストで平均点以上あるお子さん)は、そもそもお子さん自身が手助けを望んでいないことがあります。その場合はあまり手助けをしないほうが良いと思います。反対に、勉強が苦手なお子さんの場合は、口では反発しても、 心の中では勉強ができるようになりたいと思っている子が多いように思います。彼らに共通するのは、自制心がないこと、そしてそのことを自分でもわかっていて悩んでいることです。机に10分も向かうことができないと、彼ら自身も悩んでいます。そのときにそっと手を差し伸べてあげると素直に受け入れてくれることが多いです。

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