勉強してもテストで点数が取れない子(その2)(2011/09/08)

前回の続きで、勉強の質の高め方についてご紹介します。お子さんと一緒に勉強する際に参考にして頂けるように、できるだけ具体的に書きたいと思います。

入試や定期テストの問題の8割~9割は典型問題です。(ちなみに、残りは発想力を必要とする問題です。) この典型問題を確実に正解することが高得点への近道です。典型問題は、原則にあてはめて解けば正解できます。 ですから、普段の勉強では、「原則を確認して、個々の問題を原則にあてはめて解くようにすること」が大切です。

たとえば、数学の問題で、「係数が分数の方程式」を解くときには、

「分母の最小公倍数を両辺にかけて係数を整数にする」

というのが原則です。

ですから、この原則に問題をあてはめて、係数を整数にしてから計算をすることが大切です。 しかし、この原則にあてはめずに、分数のまま問題を解いているお子さんが本当にたくさんいます。分数の計算は、整数の計算よりも計算ミスをしやすいですよね。何回も、何回も、間違えます。間違えるたびにやり直しをして、時間だけが過ぎていく、、。 私からすると、するべくして計算ミスをしているのですけどね。 この状態で同様の問題を何十問と解いても、計算ミスはなくなりません。原則にあてはめずに問題をたくさん解いても意味がない、とまでは言いませんが(問題慣れはするので)、 テストで確実に得点できるようにはなりません。 きちんと原則にあてはめて解いたほうが、確実にテストの得点に結びつきます。

学校や塾で同じように授業を受けているはずなのに、成績が伸びる子と伸びない子がいます。成績が伸びない子の中には、単に勉強不足の子(やる気のない子)もいますが、勉強時間は長いのに成績が伸びない子もいます。 勉強しているのに成績が伸びない子は「原則→あてはめ」ができていない場合が圧倒的に多いです。学校でも塾でも、最初にきちんと原則を教わると思います。その原則へのあてはめ練習が問題演習です。 進学校や進学塾ではテスト前や夏休みなどの長期休暇にたくさんの宿題が出されます。 宿題は問題演習(あてはめ練習)です。何十枚というプリントが宿題に出されて、とにかく宿題を終わらせることが最優先になってしまいがちです。 宿題が作業となり、一つ一つの問題を原則にあてはめて正確に解くことをしなくなります。たくさんの問題を解いたのにテストで間違えてしまうのは、 「原則→あてはめ」ができていないからです。これが習慣(クセ)になると、正しい勉強法に戻すのは本当に大変です。

お子さんがこういう状態でしたら、お子さんと一緒に勉強するときに、原則を確認してから問題を解くようにすると良いと思います。私の経験上、原則を確認しないお子さんは面倒くさがりのお子さんに多いので、「原則を確認しなさい」と言うだけでは、まず自分からはやろうとしません。必ず一緒に原則を確認してあげることをお勧めします。お子さんが要領を得てきたら、少しずつお子さんに任せてみてください。それまでは時間と手間がかかりますが、辛抱強く一緒に確認してあげてください。原則は、問題集の例題やまとめのページに色文字や枠囲みなどで強調されて書いてあると思います。原則を確認したあとで、問題を解かせて、原則にあてはめて解くことができるか確認してあげてください。問題演習はそれほどする必要はないと思います。原則にあてはめて解くことができるようになれば、間違えることは滅多にありません。 類題を10問連続して正解できれば、11問目も正解できるでしょう。100問も200問も解く必要はありません。 量よりも質を追求すべきです。

次回も、勉強の質の高め方についてご紹介しようと思います。何となくわかっているようだけどテストになるとできないのはなぜか?についてです。

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