勉強してもテストで点数が取れない子(その1)(2011/08/23)
夏休みも終盤ですね。そろそろ宿題の追い込みをかける頃だと思います。
塾で7~8時間の授業があって、さらに学校と塾の宿題も大量にあって、本当に忙しそうにしているお子さんも数名います。ですが、その努力が結果に結び付くかどうかはまた別の話です。先日、あるお子さんに塾の分厚いテキストを見せてもらったら、間違っているのに丸がついている問題が散見されました。勉強が「作業」になってしまっています。とてもたくさんの宿題があるので気持ちはわかるのですが、テストの点数には反映されないでしょうね。夏休み中に間違った勉強の仕方が身に付いてしまっていて、これから修正しないと点数が下がってしまいそうです。
塾で出された大量の宿題を解いて成績を伸ばしていけるのは、 勉強のやり方に勉強時間を合わせられるお子さんです。しかし、中には勉強時間に勉強のやり方を合わせてしまう子がいます。そういうお子さんは、宿題が付け焼刃になります。下手をすると付け焼刃の勉強方法が身についてしまって、勉強してもテストで点数が取れないという状態になります。
勉強が作業になるくらいなら、勉強内容の量を減らしたほうが良いと思います。たとえば、数学の問題が10問あるなら、3問だけはきちんと解くというように。全部をいい加減に解くより、半分でも3分の1でもきちんと解いたほうが身になります。
私は授業でフォローできない宿題は出さないようにしています。宿題を出したら、身に付いているかどうかを次の授業で確認しています。付け焼刃の勉強にだけはならないように心掛けています。ですから、宿題は少ないほうだと思います。 私の宿題は進学塾の半分以下でしょう。それでも、塾に通っていた時よりも点数を伸ばしているお子さんはたくさんいます。
だからといって、私のほうが塾より良いとはまったく思っていません。進学塾で優秀な仲間と切磋琢磨するのはとても良いことだと思いますし、授業時間数では進学塾に敵いません。私のほうから進学塾を勧めることもあります。要は、塾に通っているから安心とか、家庭教師に習っているから大丈夫だとかそういうことでなくて、お子さんの状況を見て、何が原因で伸び悩んでいるのかを見極めることが大切だと思います。勉強が作業になっている状態なら、塾でどれだけ長い授業を受けても効果が薄いです。家でまったく机に向かえないという状態なら、塾のほうが良いと思います。塾でしたら、その時間だけは勉強するでしょうから。
話が少し脱線してしまいました。テストの点数は質×量です。質と量だったら、まずは質を高めるべきです。量を減らしてでも質を高めるべきです。質を高めておけば、どこかの時点で量を増やせば点数は順調に伸びていきます。反対に、いい加減なやり方では、量をどれだけ増やしても点数は伸びません。質が0なら、量を100に増やしても結果は0なのです。「勉強時間は長いけれどテストで点数が取れない」というご相談をときどき受けるのですが、塾や学校のテキスト・ノートをご覧になって、付け焼刃の勉強になっていないか 確認して頂くと良いと思います。勉強の質の高め方については、次回ご紹介します。