志望校選びについて(2010/11/09)

今年は夏から真冬に突然なったような急激な気温の変化ですね。先月は体調を崩しているお子さんが多かったです。私も気温の変化に体がついていけずに、3日ほど調子が悪かったのですが、ようやくこの寒さにも体が慣れてきました。

そろそろ志望校を考える時期ですね。大学受験生は推薦狙いのお子さんなので大丈夫そうですが、高校受験生はこれからの頑張り次第というお子さんもいます。この時期は弱気になって、志望校のランクを落とすべきかどうか迷うものです。お子さんも親御さんも少しでもレベルの高い学校を志願するのは当然ですし、そのお子さんが志望する以上は私も全力でサポートします。

ですが、志望校を考えるときには、その学校で充実した学校生活を送れるかどうかという観点からも、もう少し考えたほうが良いと思います。特に高校の場合は3年後に大学受験が控えています。学校の授業についていけなければ、大学受験のときに苦労をしますし何より学校生活が楽しくありません。

例えば、A高校、B高校、C高校、D高校、E高校とあって、A高校から1つずつランクが下がるとすると、A高校で下位のお子さんの大学進学先が、E高校の上位のお子さんの進学先と同じ、B高校やC高校で中位のお子さんの進学先にも及ばないこともあります。高校を比較するときは、どうしてもA高校の上位層とE高校の上位層の進学先を比較して、やっぱりA高校の進学実績のほうが良い、と判断してしまいがちですが、そのときに、入学後にその高校で上位に入るだけの勉強ができるかどうか、楽しい学校生活を送れるかどうか、ということも考える必要があると思います。 学力だけでなく、お子さんの性格や学習習慣も加味して判断しなくてはなりません。

受験直前になっても、のんびりマイペースなお子さんもいます。私は、マイペースだからいけない、ということはないと思います。高校に入ってからもコツコツと頑張った結果、高校入学時には考えられなかった ような難関大学に進学したお子さんもいます。マイペースのお子さんの場合は、性格に合った高校を選んだほうが良いと思います。3年後の大学進学先を考えた場合、ランクが高い高校に行くことが必ずしも 良いとは限りません。ですから、私は無理に高いランクの学校を勧めることはしません。

反対に、内申点や偏差値が足りなくても、お子さんがその学校に入りたいと強く志願していれば、私は後押しをします。逆境を目の前にして、それでも挑戦しようとするお子さんは、進学後も勉強できるお子さんが多いです。最後まで頑張り抜く、あきらめない、何が何でも合格してやると強い意思を持っているお子さんからは気迫のようなものが伝わってきます。彼らにとっては、内申点や偏差値の不足は問題ではありません。私は彼らが起こす「奇跡」を何度も見ています。

一番やってはいけないのは(私も含めて)、お子さんが希望していない、または学習習慣も身についていないのに、レベルが高い学校に入学「させて」しまうことです。学力は十分なのに、学習習慣が身についていないために、学校の授業についていけず、本当に大変な思いをしているお子さんを教える度にそう思います。もっと幅広く視野を広げて、お子さんの性格や学習習慣を考えて、充実した学校生活を 送れるように志望校を選ぶことが大切だと思います。

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