わかりやすい説明とは?(2009/05/26)

この時期になると、はじめて家庭教師になる方から教え方についてのお問い合わせが増えます。先日も「何回説明しても中学生の生徒がわかってくれない」とご相談がありました。

わかりやすく説明するには、言葉を削って説明を短くすると良いと思います。長い説明では記憶に残りません。特に中学生のお子さんは、言語能力が発達途上ですから、うまく要点をまとめるのが苦手です。もちろん説明を短くするときには、大切な部分は残して不要な部分を削らなくてはいけません。イメージがしやすい言葉で、短いキャッチフレーズをつけていく感覚で説明するのがコツです。

例えば、赤血球(ヘモグロビン)を説明するときに、「赤血球は酸素の運び屋」と私はいつも言っています。この説明は教え子にも好評で、赤血球という用語を見るたびに「運び屋だ!」と口に出す子もいます。 これを「赤血球は血液の成分で、、、」と説明してもなかなか覚えてくれません。赤血球と白血球を形から見分ける問題もよく出ます。これも、「赤血球は真ん中がくぼんでる」と教えるのもいいですが、「赤血球はそら豆」と教えた方が子供の印象に残りやすいです。

「運び屋」つながりですが、歴史で「馬借」「問丸」という重要用語があります。この2つの用語は、「馬借は陸の運び屋」・「問丸は海の運び屋」と説明しています。ほかには、公民で「自由権」「社会権」という難しい用語があります。 私の手持ちの教科書には、「自由権は自由を保障している権利」、「社会権は人間らしく生きることを保障する権利」だと説明されています。この説明を読んで自由権や社会権を理解しなさいと、子供に強いるのは酷だと思います。 私は、「自由権は国にあれこれしてくれるな!と言える権利」、「社会権は国にあれこれしてくれ!と言える権利」だと説明しています。これだけでも、教え子の理解度はかなり違います。この差は、具体的な権利を自由権と社会権に分ける問題を解くときに点数の差となって出てきます。

このほかにもありますが、全部書くと大変なのでこのぐらいで。いろいろな説明を考えておいて、授業中に試すと良いと思います。印象に残る説明をすると、難しい用語でも子供は意外にすぐに理解してずっと覚えていてくれます。

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