成績が上がるのかどうか、3つの判断基準(2008/03/22)

家庭教師を依頼する理由はご家庭によってさまざまでしょう。

ですが、やはり成績を上げてほしいというのが1番の理由だと思います。 ですから、成績が上がるのかどうか(1~2回教えればわかります。)をできるだけ早い時期に伝えることにしています。 時間がかかると判断した場合は「時間がかかります。」と正直に申し上げますし、すぐに上がると思えば「大丈夫です。」と申し上げています。この成績予想は、かなりの確率で当たります。記憶している限り、最初に「大丈夫です」と申し上げて成績が上がらなかったという生徒は1人もいないと思います。

成績が上がるかどうかの判断基準は3つです。 (以下は、あくまで私の判断基準です。)

まず、実技教科(音楽、美術など)の成績を見ます。 実技教科で、通知表に1や2があると成績を上げるのに時間がかかります。多くの方は、主要5教科の成績を気にされているようですが、私はさほど気にしていません。主要5教科は定期テストの点数が悪いというだけで1や2がついてしまいます。(ですから、 定期テストの点数を上げればすぐに3や4になります。) しかし、実技教科の場合、定期テストの点数が悪いというだけで1や2は滅多につきません。実技教科で1や2がつく場合は、提出物を出してなかったり、授業態度が悪い可能性が高いです。「提出物を出す、先生の話をしっかりと聞く」ようにするには習慣付けが必要ですから、時間がかかります。

次に、答え合わせのやり方に注目します。 ○や×のつけ方を見るだけで、状況がだいたいわかります。丁寧に○×をつける子は、すぐに点数が伸びていきます。 反対に、○×のつけ方がいい加減な子は、成績がなかなか上がりません。 ○×のつけ方がいい加減だと、問題の解き方・復習のやり方・用語の覚え方も雑です。問題を飛ばしたり、漢字で書くべき所をひらがなで書いたりするので、実力が身につきません。 また、問題文を丁寧に読まないのでケアレスミスが多いです。 丁寧に文字(整っていなくとも丁寧な字)を書いたり、丁寧に問題のやり直しをする というのも習慣付けが必要ですから時間がかかります。半年~2年くらいは かかると思います。ということは、成績はすぐに上がらない可能性が極めて高くなります。

最後に、宿題をちゃんとやってくるかどうかを見ます。おもしろいことに、1つ目・2つ目のポイントをクリアーしている子は宿題もきちんとやってきます。逆に、クリアーできてない子は宿題をやってきません。(宿題をやってきたとしても、必ず「穴」があります。例えば、問題を飛ばしたり、答え合わせがしていなかったり。)

以上、この3つの基準で、成績がすぐに上がるのかどうかを判断しています。

2次方程式が解けない・微分積分がわからない、という問題はすぐに解決できます。 数時間教えれば、解けるようになるからです。しかし、提出物を出さない・先生の話を聞かない・丁寧に物事に取り組めない、という のは習慣付けの問題で、改善するのにかなりの時間がかかります。特に、このような習慣は小学生のうちに身に付けておくべきことで、中学生・高校生になって から修正しようと思っても手遅れのケースがあります。私の指導経験では、中学1年生 までが限界だと感じています。それ以降ですと、想像以上に労力が必要です。

小学生(中学生)の時は成績が良かったけれど中学生(高校生)になって成績がどんどん下がったという子によく出会います。彼ら(彼女ら)は、例外なくと言っていいほど 「頭がきれる」子たちです。頭が良すぎるがゆえに、小学校や中学校では授業を聞くだけ でテストで高得点が取れたのでしょう。しかし、高校(特に進学校)では授業スピードが早くなりますし、覚えることも多くなります。学校の授業だけでは対応できなく なります。かといって、学習習慣が身に付いているわけではないので、どんどん成績が 下がっていきます。学習習慣がない子に共通する特徴は、持続力がないということです。 集中力が1時間と続きませんし、単語や用語をコツコツと覚えることができません。それで、家庭教師をつけたり学習塾に通ったりするのでしょうが、高校生になってから 学習習慣を身に付けるのはかなり難しいのです。

ですから、小学生のうちは成績は悪くてもいいから(良いに越したことはありませんが)、「毎日机に向かう習慣」・「丁寧に問題に取り組む習慣」・「宿題を必ず提出する習慣」だけは身に付けさせておくことを勧めています。 この3つの習慣を身につけておけば、中学・高校と進学しても勉強面で苦労するということは少ないと思います。どのようにこれらの習慣を身に付けさせるのかは、また後日ご紹介します。

このページの先頭へ